板橋病院
円錐角膜専門外来
円錐角膜専門外来
角膜のゆがみや強い乱視、まぶしさ・二重に見えるなどでお困りの方へ。
当院では、正確な診断と複数の治療選択肢をもとに、患者さん一人ひとりに合った最適な治療計画をご提案します。
円錐角膜とは
円錐角膜は、角膜(黒目の表面)が弱くなり、前方に徐々に突出してゆがむ病気です。 進行すると乱視が強くなり、メガネやソフトコンタクトだけでは矯正が難しくなることがあります。 若年期に発症し、30~40歳頃まで進行することがありますが、早期の適切な診断と対処で進行を抑えることが期待できます。
こんな症状はありませんか?(自己チェック)
- メガネやソフトコンタクトでも二重・にじみが残る
- 乱視が急に強くなってきた/左右差が大きい
- 目をこする癖がある、アレルギー体質がある
一つでも当てはまれば、角膜形状解析などの検査をおすすめします。
当院で行う主な検査
- 角膜形状解析/角膜厚測定:進行度とタイプを把握
- 視機能評価:視力・コントラスト感度
- 眼表面・アレルギー評価:こすり対策・炎症管理
大学病院の総合力で、白内障などの併存疾患も含めて評価します。
治療の考え方
円錐角膜治療は大きく①進行予防と②視力・見え方の改善に分かれます。
- 進行予防:角膜クロスリンキング(CXL)
- 視力・形状補正:ハードコンタクト・各種レンズ、角膜内リング(ICRS)、CAIRS
- 高度例:角膜移植(症例に応じた術式選択)
※一つの治療で両方の目的を完全に満たすとは限りません。病期や生活ニーズに合わせた組み合わせをご提案します。
角膜クロスリンキング(CXL)
紫外線と点眼薬(ビタミンB2)で角膜を強化し、進行を抑える治療です。
- 期待できること:進行抑制(視力改善効果は限定的)
- 注意点:日本では保険適用外(自費診療)
- 術式:症例により表層の扱いが異なります(術後ケア含めてご説明します)
▶ クロスリンキングに関してはこちら
CAIRS(角膜実質移植)
- 参考* ICRS:角膜内にリングを挿入し、形状を整えて見え方の質を補正します。
- CAIRS:提供角膜の実質リングを用いる低侵襲の角膜移植、角膜実質移植と呼ばれます。
- コンタクトが難しい方や眼鏡・ハードレンズからの解放を目指す方に選択肢となる場合があります。詳細は診察で適応を判定します。
- 当院では、2024年1月に本治療を導入し、学会の治療指針作成にも貢献してきました。
角膜移植
重症例では、移植(例:DALK/PK等)で視機能の再獲得をめざします。術式は角膜の状態や全身背景により選定します。
診療の流れ
① 初診・相談
紹介状があればご持参ください)

② 詳細検査
(角膜形状解析・角膜厚・視機能ほか)

③ カンファレンス
個別に最適な方針をご説明

④ 治療実施
(必要に応じ日程調整)

⑤ 術後フォロー
進行抑制と見え方の最適化を両立
費用の目安(保険外治療について)
角膜クロスリンキングは国内未承認で自費となります(費用は施設規定により異なります)。実際の金額は当院の料金表に準拠します。 医師が適応を慎重に判断、費用・リスク・代替案を含めご説明します。
よくある質問
- Q1放置すると失明しますか?
- 円錐角膜そのもので光を感じなくなることは稀ですが、角膜の濁り等で生活に影響する視力低下を招くことがあります。早期診断と適切な治療が重要です。
- Q2食事やサプリで治りますか?
- 食事で進行が止まる確かな根拠はありません。目をこする癖の是正やアレルギー治療などの行動療法が大切です。
- Q3何歳まで進行しますか?
- 個人差はありますが、30~40歳頃まで進行することがあります。定期的な検査で推移を確認します。
医師紹介
担当:林 孝彦、原 雄将、五十嵐 あみ
角膜疾患・移植・最先端治療に従事。研究・教育・臨床の知見をもとに、患者さんに科学的根拠とやさしい説明を両立した医療を提供します。
▶ 解説動画:円錐角膜 治療の最前線(CXL・CAIRS)
受診・紹介
- 一般の方:受診方法/予約案内/必要書類
- 医療機関の先生方:病診連携のご案内(紹介状FAX・検査依頼・共同診療)

