板橋病院
未熟児網膜症
未熟児網膜症
担当医:横田・野村・秋山
妊娠中、お母さんのお腹の中では赤ちゃんが大きくなるにつれて、眼球も徐々に発達しています。眼球の奥には網膜と呼ばれる場所があります。
眼球をカメラにたとえるとフイルムにあたる部分で、物が映る大切な場所です。網膜には酸素や栄養を運ぶ血管がたくさん必要で、
その血管は妊娠8から10か月の間に網膜の中心から周辺に向かって伸びていきます。
非常に早期に生まれた新生児では網膜血管の発達が途中で止まり、周辺の網膜は血管がありません。血管が無い部分は酸素と栄養が運ばれないため、
新生血管という異常な血管が生えてきます。これが未熟児網膜症で、放置すると出血を起こしたり網膜剥離になって失明することがあります。
未熟児網膜症の早期は外見ではわからないため、未熟児で生まれてきた赤ちゃんは眼底検査をする必要があります。
当院には新生児集中治療室(NICU)が設置されていることから常に多くの未熟児がいます。生後2~3週ぐらいから定期的な眼底検査を行い、
未熟児網膜症の発症の有無や進行の程度を検査しています。軽症の場合は自然に治癒することが多いので、治療を必要とすることはありません。
進行した未熟児網膜症に対しては、小児科との連携のもとでレーザー治療を行うことで網膜剥離や失明の予防を行っています。